口腔内疾患ORAL DISEASE

TREATMENT歯周病・歯肉炎・
口内炎の治療

01

歯肉炎・歯周炎

圧倒的に多いのは歯肉炎・歯周炎です。これは、ワンちゃん、ネコちゃんの両方に見られます。初期は無症状で経過しますが、病気が進行すると口臭の発生、採食拒否、よだれで気がつくことが多いようです。この病気は歯石の付着が起こることによって、細菌の増殖と毒素の発生がおこり、正常な歯肉構造が破壊され、炎症が発生して起こります。猫ちゃんは猫エイズウイルスや猫白血病ウイルスに感染していて免疫抑制状態にあると発症しやすくなります。歯周炎のまま放置しておくと、やがて歯根がやられて歯の脱落が起こったり、細菌の増殖が進むと歯根部が化膿して頬部が破れてしまうことがあります。まれに細菌が血管内に進入すると全身に影響して肝臓などの臓器にも影響することもありますから、この病気は予防していくのが一番というわけです。予防には歯磨きをする(乾いた布や、専用ブラシで磨く)のが効果的です。また歯科用の消毒薬で洗浄する方法もあります。

02

口内炎

その次に多い病気は口内炎です。口内炎は様々な原因で発症します。一般的な原因には異物を噛むことによる外傷、内臓性(腎不全)、免疫抑制状態をつくる病気(猫エイズ、猫白血病ウイルス、糖尿病、副腎皮質機能亢進症)、ネコちゃんの重症な風邪(ヘルペスウイルス、カリシウイルス)などがあげられます。代表的な症状は濃くねばねばした唾液、激しい口臭ですが、痛みから食欲不振や発熱、体重減少が見られることもあります。治療は抗生剤の投与と口腔内洗浄が効果があります。また重度な病変と関連している歯を抜歯すると効果的なこともあります。

歯周病と口内炎の治療

手入れをしていなければ、いつかは歯周病や口内炎になりますし、手入れをしていても稀にこういった疾患になることがあります。もしそうなった場合の治療は歯石除去をし、抜歯しなくてはなりません。歯石除去、抜歯は全身麻酔下で行わなければならないので費用もかかりますし、麻酔のリスクも負わなければなりません。疾患とならないための努力が必要ですね。