口腔内疾患ORAL DISEASE

PREVENTION歯周病・歯肉炎・
口内炎の予防

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歯と歯茎のチェック

適正な食事を与えたり、歯磨きすることが歯周病を予防する有効な方法なのです。歯磨きをする前にまずは歯と歯茎のチェックをしてみましょう。歯と歯茎のチェックをするとき、口を大きく開ける必要はありません。奥歯を見るときは、両手を上下の口唇にあて、上側と下側に少し引っ張るだけで歯と歯茎を見ることができます。前歯と犬歯を見るときは、片方の手で軽くあごを押さえて、もう片方の手で上側の口唇を少しめくると見えます。

〈 健康な例 〉

健康な歯茎は、全体的にピンク色をしています。また、歯には歯垢・歯石の付着が見られず、ほぼ白に近い色をしています。
この健康な状態を保つためにも、定期的に歯磨きをしてください。

〈 トラブル初期の例 〉

歯茎の縁が赤く、歯には歯垢・歯石が付いて黄土色に変色しています。赤い歯茎は炎症を起こしている証拠です。
治療が必要な場合もあります。

〈 重度の例 〉

歯が抜け落ちてしまったり、残っている歯の周囲も赤く腫れていたりと、重度の炎症を起こしている場合が多いです。
この場合、速やかな治療が必要です。

02

歯に良い食事

ウェットタイプのフードは、歯や歯茎の溝に付着しやすく、歯垢や歯石の蓄積を促す可能性があります。ドライタイプのフード(特に大粒のもの)では、噛む回数が増え、唾液の分泌も促進するため、歯を磨く作用や口の中の清掃に役立つと考えられます。
間食やだらだら食いは、口の中に食べ物のカスが溜まっている時間を長くさせるため、歯垢の蓄積を促進してしまうおそれがあります。
咀嚼(そしゃく)を促すトリーツは歯垢や歯石の蓄積を遅らせることができますが、与え過ぎるとエネルギーの取り過ぎになったり栄養のバランスをくずしてしまう場合があるので注意が必要です。

歯磨きの仕方

最近では全周囲毛タイプのブラシがでてやり易くなりました。ブラシ・歯磨き粉は少し高価ですが、歯磨きをさせてくれる子であれば、非常に効果的です。しかし、どうしても嫌がったりしてなかなかうまくいかない場合があります。そういう子たちのために、ガーゼを使った歯磨きの方法をご紹介します。

POINT
  1. 人差し指に、指を全部覆えるぐらいの幅のガーゼをきつめに巻きます。
  2. 片手をあごの下に添え、ガーゼを巻いた指を口の端からすべらすように中に入れ、上下の奥歯を指の腹で軽くこすります。
    反対側の奥歯も同様に行います。
    ※台にのせて飼い主さんの体に密着させるか、膝の上にのせて飼い主さんの脇をしめて、胸とお腹と両腕でワンちゃん・ネコちゃんを挟み込むと体が安定してやりやすいです。
  3. 少しなれてきたら前歯と犬歯も磨きます。歯と歯茎の境目辺りに指の腹をあて、軽くこすります。

※大きくなってからだと嫌がる子が多いので、小さい時から歯磨きの練習をしておくといいですね。