犬と猫の予防医療PREVENTIVE MEDICINE

FILARIAフィラリアとは

フィラリア症は、蚊が媒介する寄生虫の病気です。フィラリアの幼虫を持った蚊に刺された時に、
刺し口から幼虫が体内に入って、それが移動しながら成長して、最後には肺動脈や心臓で成虫になって住みついてしまいます。
メスは最大で28cm、オスは17cmにもなる細長い糸状の虫で、寿命は6年から7年位といわれます。
寄生した場合は、元気がない、咳が出る、食欲がない、呼吸が苦しい、お腹が膨らむなどの症状が出ます。

予防方法

飲み薬・背中に垂らす薬・注射などいろいろな予防薬がありますが、当院では月1回の飲み薬をお勧めしています。
お薬は、周りに蚊が出てから1か月後から飲み始めます。フィラリア症の予防薬は、フィラリアの幼虫が体内に入ってから心臓に寄生する間に駆除する薬で、薬を飲んでから1か月間効果が持続するのではなく、投薬前1か月間に感染したフィラリアの幼虫を駆除するものです。また、薬を飲ませる前には必ず安全確認のための血液検査をします。

血液の検査の必要性

血液の検査の必要性 非常に安全性の高い薬ですが、既にフィラリアが寄生しているワンちゃんに飲ませてしまった場合には、フィラリアの幼虫(ミクロフィラリア)が一度に駆除される事によってショック症状を起こす事があり、最悪の場合は死に至る事もあります。
感染の多い地域では、1か月薬を忘れてしまっただけでフィラリアが寄生してしまったケースや、飲ませたつもりでいたら小屋の隅にお薬が落ちていたと言う事もありますので、血液検査は重要です。

検査方法

検査方法 フィラリアの検査方法は大きくわけて2つあり、1つは検査キットを使って犬フィラリア抗原を確認し、心臓に現在フィラリアがわいているのか否かを調べる方法。もう1つは血液中のフィラリアの幼虫(ミクロフィラリア)を顕微鏡で探す検査です。もしフィラリアの幼虫(ミクロフィラリア)がいた場合は血液の中を蛇のように動くので、すぐに感染の有無が確認できます。
毎年きちんと予防をしているワンちゃんは顕微鏡での検査で十分ですが、何か月かお薬が抜けてしまった場合や、今までの予防状況が分からないワンちゃんは詳しく寄生の有無を調べるためにキットを使った検査をする必要があります。

投薬期間

春からしっかりとお薬を飲んでいても、まだ蚊のいる時期で投薬をやめてしまってはフィラリアの幼虫がワンちゃんの体内に残ってしまう事になります。蚊を見なくなった日から1か月後(11月末か12月上旬)まで投薬をして終了してください。最後の投薬は今までの投薬を無駄にしないためにもとても重要です。